睡眠こそ最強の解決策である 書評②

睡眠不足は太る

今回は、糖尿病と肥満に特化してまとめてみたいと思います。

まず、健康的な睡眠時間は7時間から8時間で、それ以下は睡眠不足になります。

◾️睡眠不足と糖尿病
睡眠不足だと、細胞がインスリンに反応しなくなるようです。そのせいで、細胞がグルコース(血液中の糖分)を吸収しなくなるとのこと。その為に、高血糖症となってしまいます。

慢性的に睡眠時間が6時間以下の人は、II型糖尿病を発症する率がはるかに高かった

◾️睡眠不足と肥満
食欲のコントロールには2つのホルモンが関係している。それは、レプチンとグレリンです。

レプチンは満腹を感じるホルモンで、グレリンは空腹を感じるホルモンです。

睡眠不足(4時間から5時間睡眠)になると、レプチンが減って、グレリンが増す。つまり、満腹感を感じなくなり、空腹感を強く感じるという二重の悪影響。その為に、食欲が暴走してしまうのです。

更に、睡眠不足になると、エンドカナビノイドという物質が体内で増えてしまうとのこと。これは大麻に似た成分らしく、エンドカナビノイドが増えることでも空腹感が増してしまいます。

レプチンが減って満腹を感じなくなり、グレリンとエンドカナビノイドが増して異常な食欲に繋がるというメカニズムになっている。

また、睡眠不足になると活力がなくなり、運動不足にもなってしまいます。

◾️睡眠不足とジャンクフード
睡眠不足になると、理性を司る前頭前皮質の活動が鈍る。一方で、衝動を司る部位は活発化する。衝動を司る原始的な脳は、高カロリーな食事を好むので、睡眠不足になるとジャンクフードの摂取量が増えてしまう。

◾️睡眠とダイエット
睡眠をしっかりとると、原始的な脳と、理性的な脳のコミュニケーションが回復し、食欲をコントロールしやすくなる。異常な食事にブレーキがかかるのです。

また、睡眠不足(5時間半睡眠)の人が食事制限をすると、落ちた体重の70%が筋肉だったそうです。

反対に、8時間半しっかり眠った人は、落ちた体重の50%が脂肪だったとのこと。しっかり眠った人の方が、筋肉を残して脂肪を減らす、理想的なダイエットに近づけたというのです。

以上のように、睡眠不足は糖尿病と肥満の原因になっている可能性が示唆されています。

睡眠不足の人は、その状態に慣れてしまい、自分が睡眠不足だと気づいていないという話も書かれています。

体重増加で悩んでいる方は、まず睡眠の改善から取り掛かると良いでしょう。運動や食事制限よりはるかに取り組みやすいはずです。

<参考文献>

睡眠こそ最強の解決策である

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