ブレインメンタル強化大全/樺沢紫苑著/感想
絶好調を目指す本
本書は健康的な生活とは何かを徹底的に突き詰めた内容の本です。
「睡眠」「運動」「食事」「禁煙」「節酒」「ストレス発散」といった生活習慣を見直す事で、
①調子が悪い人は健康を目指し、②健康な人は絶好調を目指すことができる本なのです。
著者は「睡眠」「運動」「朝散歩」を提唱していますが、その理由や具体的なTo Doが示されています。
要点は、
①7時間から8時間寝る
②出来るだけ時間を見つけて運動する
③煙草は吸わない
④お酒もてきるだけ飲まない
です。
睡眠を削ることで、集中力、注意力、判断力、実行機能、即時記憶、作業記憶、数量的能力、数学能力、論理的推論能力、気分、感情など、ほとんどすべての脳機能が低下することが明らかにされています。
p.26
一方で、
有酸素運動をすることで、記憶力、集中力、学習能力、実行機能、創造性、発想力など、ほとんどの脳機能がアップすることが多くの研究で示されています。
p.106
と述べられています。
つまり、睡眠不足を改善することで脳機能の低下を防ぎ、運動不足を改善することで、脳機能をアップさせることができるのです。
これが健康や絶好調を目指す秘訣だといいます。
本書では、睡眠不足や運動不足は何故良くないのか、睡眠不足や運動不足になるとどうなるのか、睡眠不足や運動不足が改善されるとどう良いのか、睡眠不足や運動不足を改善するにはどうしたら良いのか、など事細かに説明されており、理論を理解して行動したい方にオススメの本だと言えます。
生活習慣の点検
自分の生活習慣はどうかと言いますと、睡眠時間は多くて6時間から6時間半でしょう。たまに7時間といったところです。
ブログやYouTube 動画を投稿したい私にとっては、早く寝るのは難しいのですが、0時前には寝るようにしています。
何かやろうと思っても、23時を過ぎていたらやらないで寝ることを優先するようになりました。何故なら、その時間から活動してもブログや動画が完成しないからです。だったら寝た方が得策というわけです。
次に、運動は自転車通勤で往復1時間は自転車をこいでいますし、昼休みには18分ほど走っています(毎日ではない)。また、土日は朝早く起きられたら、家族が寝ているすきに河川敷を走っています。
ですので、運動はできていると思います。
著者が推奨する朝散歩も、自転車通勤なので、日光浴しながらリズム運動をしていることになり、達成できているでしょう。
また、私は煙草は吸ったことがありません。煙草は百害あって一利なしだと思っています。
酒もなるべく飲まないようにしています。本書を読んだ後に、飲酒しましたが、睡眠の質が恐ろしく悪化したので、酒も百害あって一利なしだと実感しました。
こうしてみると、睡眠は改善の余地があることが分かります。
気付きとTo Doリスト
私が本書を読んで生活に取り入れた事を紹介します。
①何かやろうと思っても、23時を過ぎていたらやらないで寝ることを優先する。
たった0.7時間の睡眠負債を返済するのに3週間もかかるのです。
p.62
睡眠負債の返済には時間がかかるので、午前0時を過ぎそうな場合は潔く寝るよう心がけています。
②出来るだけ階段を使う。
「階段を使うと集中力がアップする」と思うとモチベーションも上がります。
p.256
生活に運動を取り入れるためにも階段の使用は推奨されていますが、それだけではありません。
著者はYouTube 動画で、「頭が良いとは集中力があるということ。」だと仰っていました。
つまり、階段を使う=集中力がアップする=頭が良くなると考えられるのです。
③走る前にスクワットをする。
5〜10分程度の筋トレでも、成長ホルモンはかなり分泌されるので、有酸素運動の前に筋トレを行うことで、有酸素運動の開始初期から成長ホルモンによる脂肪燃焼効果が期待できます。
p.97
成長ホルモンにはすごい効果がたくさんあります。
成長ホルモンの効果
1 脂肪の燃焼、ダイエット効果
p.98
2 筋肉をつくる、筋力アップ
3 骨を強くする
4 新陳代謝亢進、美肌効果
5 アンチエイジング効果
6 免疫力アップ
7 疲労回復効果
8 糖尿病予防
成長ホルモンを分泌させるには「睡眠」と「運動」しか方法がなく、「睡眠」だけでは限界があるというのです。睡眠以外で、もっと成長ホルモンを分泌させるにはどうしても「運動」をする必要があります。
有酸素運動だけですと、十分な成長ホルモンを分泌させるのに20分~30分かかってしまいます。それが、最初に筋トレを行うことで、有酸素運動の開始初期から成長ホルモンが効率的に分泌されるのです。どうせ「運動」するなら、運動の効果を十分に享受したいものです。
私はランニングも筋トレ(自重ではなく、スポーツジムでの筋トレ)も好きですが、どうしてもランニングの方が気楽にできる分、実施するのが有酸素運動に偏りがちです。ですから、ランニング前にスクワットを行うようにしています。
④時々、立って仕事する。
座りすぎは死亡率を高め、その影響は運動でも相殺できないといいます。
更に、認知機能や集中力も下がってしまうのです。
その為、中には、「スタンディングデスクを使って常に立って仕事をしています。」とか、「常に立って本を読んでいます。」という方がいます。
しかし、本書では以下のように述べられていたので、やはり立ちっぱなしも良くないと思いました。
スタンディングデスクは、仕事のパフォーマンスアップに効果がないという研究もあります。長時間立ち続けて仕事をすれば、それは「疲労」にもつながりますから、パフォーマンスが上がらないのは当然の話。
「座りすぎ」の防止のためのスタンディングデスク。時々、立って仕事をするスタイルが、健康的にも、仕事のパフォーマンス的にもいいといえるのです。
p.129
誰かが「これは良い。」と言ったときに、妄信しないで、自分で調べたり、反対意見を聞いてみるのは大切なことですね。
おわりに
著者は「睡眠」「運動」「朝散歩」を推奨されています。
個人的には「睡眠」は65点。「運動」は80点。「朝散歩」は95点くらいだと思っています。
自転車通勤なので、正式には「朝散歩」ではありませんが、匹敵する内容だと思います。p.171にはリズム運動の例として「自転車こぎ」が記載されています。
私はお酒もほとんど飲みませんし、喫煙歴もありません。
それでも朝は元気いっぱいとまではいかないのは、睡眠不足が原因だと考えています。
本書の内容を細部まで実行できれば、本当に絶好調が実現できるかもしれません。
私は、冬場は日照不足や寒さのせいなのか、あまり体調が良くないと感じることが多い気がします。ですから、まずは出来るだけ23時には眠れるように頑張ってみたいと思います。
もし、脳やメンタルを健康にしたいなら、是非本書を読んでみて下さい。
<参考文献>
ブレインメンタル強化大全