河野玄斗著「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法」感想

全体的な感想

河野玄斗氏の著書「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法」は、勉強の意義、勉強のモチベーションを保つコツ、効率的な勉強方法について、河野氏が実践している方法が具体的に書かれています。

私はこの本を読んで、「もっと勉強しよう!」「こうやって勉強すれば良いのか!」「もう一回勉強をやり直してみよう!」という気持ちにさせられました。

現在学生の方が読めば、「何故勉強した方が良いのか?」という疑問の解消に繋がることでしょう。

また、「勉強全般」という大きなカテゴリーの他に、数学、現代文、英語、理科、社会という5教科についても、それぞれ詳しく勉強の意義や勉強の仕方が書かれていますので、学生や子供を持つ親にとっては参考になるでしょう。

一方、社会人の方が読めば、「これからも勉強して、自分の可能性を広げていこう!」という気持ちにさせられるのではないでしょうか。

人生100年時代は、常に学び続けている人が成功を手にする世界です。そのため、「勉強」の意義やモチベーション、効率的な勉強方法は必ず知っている必要があるのです。

東大医学部在学中に司法試験にも合格された著者だからこそ、本の内容にも説得力があります。この本を読んで、「勉強」を習慣化していきましょう。

勉強の意義

よく言われることではありますが、勉強しておくことで、将来の選択肢が増えます。例えば、医者になるには医学部に行けるだけの学力が必要でしょう。高学歴なだけで成功するとは限りませんが、勉強ができないとなれない職業はあるものです。

将来こうなりたいと思ったときに、その方向へ進むためのカードをもっておくことは悪い事ではないでしょう。しかし、目的もなく「将来使えそうだから。」という理由だけでは、勉強に意味を見出せない方も多いでしょう。

一方で、「自分は本当は何が好きなのか知りたい。」という願いがある方は多いはずです。

河野氏によれば、「勉強」を通して、「自分は何が楽しいと思うのか」「何が得意なのか」ということを知ることができるといいます。

つまり、「勉強する」→「自分の好きや得意が分かる」→「将来やりたいことを決める」→「勉強していたおかげで、選択肢がたくさんある!」ということが言えるのです。

勉強のモチベーション

また、欲望に忠実な動機であっても、勉強さえする気になるのであれば、何の問題もないようです。

私は、勉強できる人はカッコいいなと感じるのですが、自分の「カッコいい」と思う理想像に近づくために勉強するのもありだと書かれています。

河野氏によれば、「自分もそうなれるならなりたい」という願望が、「カッコいい」と思う感覚に反映されているとのこと。

私はこれを読んで、「そういえば英語が話せる人カッコいいな~」とか「理系の人ってカッコいいな~」と感じるなと思いました。それは自分の「そうなりたい願望」だったんだと分かり、勉強をやり直そうという気になりました。

効率的な勉強方法

勉強するときは全体像を押さえてから、細かい知識の習得にかかるのが効率的とのこと。重要な部分を「要するにこういう事である。」と説明できるようになると、本質を理解しているので、応用問題にも対応できるようになります。

また、全部やろうとするのではなく、必要なところと、できたらやるところなどのメリハリが大事とのこと。

私はエセ完璧主義(こだわるところと、どうでも良いと思うところがある)なところがあり、こだわって最初から達成率100%を目指しがちな人間です。

子供の頃、RPGのゲームで最初のステージからレベル100、最強の武器所持を目指し、一回も負け記録をつけないなどの縛りを実践しようと試みていました。しかし、結局クリアーできずに挫折していたのです。

このようなエセ完璧主義には耳が痛いのですが、物事はまず全体像を知り、大きな流れを掴むのが肝要なのだと改めて知りました。

勉強を成功に導くテクニック

「眠気」や「不安」といったストレスを感じたら、一旦寝てしまったほうが良い。という記述もあり、とても安心させられました。私自身、学生時代は睡魔との戦いでした。そのくせ、徹夜して勉強したりしていたので非効率の極みでした。

ちなみに、現在の脳科学では睡眠中に記憶が整理、定着すると言われていますので、徹夜は最悪の勉強法でしょう。

その他に納得した内容は「手段の目的化に陥らないように注意する。」ということです。手段の目的化の典型例は「まとめノートづくり」だと書かれています。

ここでまた、エセ完璧主義の自分が脳裏をよぎりました。私も超きっちりノートを作っていた思い出があります。勉強した内容を理解し、記憶することが目的なのに、いつの間にか「ノートをつくること」自体が目的になってしまっている。苦い思い出です。

「まとめられている情報が存在しない」場合に、散らばった内容をまとめることには意味があるようです。

この「手段の目的化」を意識することで、仕事の中でも色々と「手段の目的化」を発見できるようになりました。そのことでかなり効率化を図れたこともありました。

おわりに

河野氏が司法試験の体験記の中で、予備校の講義ビデオを見切ることに専念した様子が書かれています。この「まず見切る」という言葉がとても重要に感じました。

というのも、勉強しようとすると、つい最初から完璧を目指しがちです。

しかし、全体像を把握することが効率的な勉強方法であるならば、まず最初から最後まで目を通すという作業が必要になるでしょう。

完璧に覚えるまで先に進まないようでは、いつまでたっても終わりません。そのうちやる気を失ってしまいかねません。

それよりかは、本であろうが、動画であろうが、覚えられていなくても一度「見切って」、全体像を把握する。そして、1回終わらせたという実績をつくってしまうのが良いと感じました。

わたしはこの内容を読んで、「まず英単語帳を見切ろう」と思いました。

この本には、更に具体的な勉強方法が書かれており、現役の学生や、学び続けなければならない社会人にとても役立つ内容だと思います。是非ご一読あれ。

<参考文献>
東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法