子育ては集中力が増して若返る説/『ヤバい集中力』と『不老長寿メソッド』の応用/鈴木祐著
鈴木祐さんの著書『ヤバい集中力』と『不老長寿メソッド』を読んで、これは子育てにも使えるのではないかと思いました。
結論を言うと、「子育ての我慢やストレスによって、私達は集中力が増し、更に若返る」というものです。
それでは説明します。
日頃の我慢で集中力が増す
子育てをしていると自分のやりたい事は中々できません。
やりたい事を我慢して、子供に合わせる日々です。
特に子供が小さいうちは、付きっきり状態です。
ですが、この日頃の我慢や小さな忍耐が、私達の心を鍛え、集中力を増してくれるのです。
『ヤバい集中力』に書かれている我慢や忍耐で集中力が増すプロセスをまとめると、以下のようになります。
①やりたい事を我慢する
②誘惑に勝ったという成功体験となる
③人生のコントロール感覚が増す
④自分には未来の成功を左右する力があるという認識が生まれる
⑤誘惑に耐えようとするモチベーションが増す
⑥欲望に流されにくくなる
⑦結果集中してタスクをこなすようになる
自分がやりたい事を我慢して、子供と遊ぶ時間に使っているという事実は変わらなくても、「自分は自分の時間をコントロール出来るんだ。」という認識につながります。
すると、集中力が増すので、仕事力も強化されると言えるでしょう。
何より、日頃の我慢が自分を鍛え、いつしか子供との時間に集中できるようになるのではないでしょうか。
我慢の痛みで若返る
『不老長寿メソッド』では、若返りのプロセスを以下のように説明しています。
痛み→回復→若返る
ここにはホルミシスという作用が働いています。
ホルミシスとは、
多すぎれば有害だが、少なければ有益に働く作用
P.19
肉体であれば、運動などの痛みによって炎症が起きる。すると、身体の炎症抑制システムが働き、肉体が強化される。即ち、若返る。
精神であれば、ストレスなど痛みによって、記憶力や注意のコントロールが発達する。
甚大な精神的ダメージを受けた後、そこから成長を果たすケースがあります。これを心的外傷後成長と言います。
トラウマになるほどのストレスは良くないでしょうが、適度なストレスが脳機能を発達させるようです。
また、若返りには、痛みと同じくらい回復が必要になります。
ストレス対策で重要なのが「コントロール感」だといいます。
本書では、
「私にはいま明確な目標があり、これを達成するには何をすべきかわかっている」と心から思える状態
P.34
と説明されています。
更に、本書ではコントロール感が上がるストレス対策として、「他者への親切」が挙げられています。
「他者への親切」は積極性が強い行為のため、コントロール感が上がり、ポジティブな感情が高まり、ストレスから回復するというメカニズムです。
私としては子育ても「他者への親切」に当たるのではないかと考えています。
すると子育て中の我慢はストレス。一方で、子育てが「他者への親切」でストレス対策となる。これは矛盾するのではないかという疑問がわきます。
ここで重要になるキーワードが、「積極的」と「コントロール感」です。
つまり、やらされ感を抱きながら子育てに取り組むと、「振り回されている」という気持ちになります。
一方で「積極的に」子育てに取り組むと、自分からタスクをこなす事になるので、コントロールしている感覚が芽生えるのです。
「やらされ感」で子育てすると、ストレスとなります。
「積極的に」子育てすると、「他者への親切」となり、ストレス対策となります。
結果として、子育ての我慢や忍耐は痛みですが、癒しでもあり、ホルミシス効果で若返る作用があると言えるのではないでしょうか。
子育てで集中力と若さを手に入れる
以上をまとめると、以下の流れになります。
①やりたい事を我慢して子育てに取り組む
※例えば子供と遊ぶ等
②誘惑に勝ったという成功体験となる
③人生のコントロール感覚が増す
④自分には未来の成功を左右する力があるという認識が生まれる
⑤誘惑に耐えようとするモチベーションが増す
⑥欲望に流されにくくなる
⑦結果集中して子育てするようになる
⑧集中力して子育てに取り組むと言う事は、積極性が強い行為なので、コントロール感が上がる。
⑨コントロール感が増すと、ポジティブな感情が高まり、ストレスから回復する
⑩ホルミシス効果で若返る
と、なります。
子育てだけでなく、あらゆる状況において、コントロール感覚がポジティブ感情とネガティブ感情を左右しています。
そして、「やらされ感」で動くと振り回されていると感じ、コントロール感覚は低下。逆に「積極的」に動くと「自分には出来る」と思え、コントロール感覚が増す。
これは仕事などにも応用できるので、覚えておきたい点です。
〈参考文献〉