小さな仕事
自分を必要とする”何か”がある
あなたは、自分がやっている仕事に満足していますか?自分がやっている仕事が好きですか?
答えがYesなら、あなたは恵まれた方です。でも、Noという答えの方も多いのではないでしょうか。
オーストリアの神経科医であり、精神科医であったヴィクトール・フランクルは生きる意味について説いた方です。
フランクルはナチス下の強制収容所での体験を経て、「夜と霧」を著したことで有名です。
フランクルによれば、
どんな時も人生には意味がある。自分を必要とする”何か”があり、自分を必要とする”誰か”が必ずいて、自分に発見され実現されるのを待っている。そして自分にも、その”何か”や”誰か”のために、できることがある
とのこと。
フランクルは私達がなすべきこととして、3つの価値を提示しています。
①創造価値②体験価値③態度価値
このうち、①の創造価値は仕事を通して実現されます。
何気ない仕事にも大きな価値がある
諸富祥彦(もろとみ よしひこ)氏の著書「生きていくことの意味」では、このように説明されています。
私たちがふだんやっている何気ない仕事にも、実は、たいへん大きな価値が潜んでいる
たとえば、お茶くみやコピー取り。こんな地味な仕事でも、それをやってくれる人がいることで、ほかの人のストレスがどれだけ緩和されているかを考えると、とてつもなく大きな価値があることが分かります。
何になろうと最上のものになれ
デール・カーネギーの著書「道は開ける」ではダグラス・マロックの次の詩が紹介されています。
丘の上の松が無理ならば
谷あいの低木になれ。
–だが小川のほとりにある最も美しい低木に。
木になれないのなら、藪(やぶ)になれ。
藪が無理ならば、一握りの草になれ。
そして、大通りを楽しくしてやれ。
カワマスが無理ならばバスでよい。
–だが、湖の中で最も生きのよいバスに!
我々は皆が船長にはなれない。
水夫になる者もいよう。
一人一人が何かすることがある。
大きな仕事もあれば、小さな仕事もあろう。
そして、しなければならない務めは手近にある。
大通りが無理ならば、ほんの小路でもよい。
太陽が無理ならば、星になれ。
成功と失敗を分けるのは大きさではない。
何になろうと最上のものになれ!
あなたの仕事には意味があり、誰かの助けになっています。そして、どんな職業かではなく、あなたがどの様に仕事をするかによって価値が変わるのです。
<参考文献>
夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録
それでも人生にイエスと言う
生きていくことの意味―トランスパーソナル心理学・9つのヒント (PHP新書)
道は開ける 新装版