選択的注意

意識しているものしか見えない

あなたは何か情報が欲しいと思った時にどのように考えているでしょうか?

例えば、何かおもしろい事ないかな?

なんて考えていないでしょうか?

精神科医で作家の樺沢紫苑氏は、著書「ムダにならない勉強法」の中で、以下のように仰っています。

人間は、注意を向けたものしか目に入らない。これは、そのまま情報収集にもいえるでしょう。自分のフィルターにマッチしたものを選択的にインプットし、それ以外の情報は無意識に排除しているのです。

膨大な情報の中から、自分が決めた特定の情報を抽出することを、「選択的注意」と言います。選択的に注意を向けることで、情報の山から特定の情報を選択できるのです。

この代表例に「カクテルパーティー効果」というものがあります。

パーティー会場では、あちらこちらで会話を楽しむグループがあります。しかし、自分が会話をしている時にその話は耳に入って来ません。ところが、どこかの会話から自分の名前が聞こえた途端に、そちらの会話が耳に入るようになるのです。これを「カクテルパーティー効果」といいます。

選択的注意を理解すると、漠然とした態度では情報をキャッチ出来ないという事が分かると思います。

「何かおもしろい事」では、注意を向けられないからです。今の季節なら「花火大会」どこかでやってないかな?とか、雨の日でも遊べる所ないかなというはっきりとした意識が、情報のアンテナを作動させるでしょう。

樺沢氏は、以下のように述べています。

人間の脳は、物凄く感受性の高いフィルターを装備しているのです。興味・関心のあるキーワードを普段から「意識」するだけで、重要な情報を見逃さないようになります。

特定のキーワードを意識し、普段から自分の興味、関心の領域を明確にしておくことで、はじめて有益な情報がキャッチできるのです。

私は目標達成に選択的注意を使うことをおすすめします。理想とする目標があったとしても、それをどのように実現したら良いか分からないことが多いからです。しかし、選択的注意が働くことで、目標達成に必要な方法をキャッチできるかもしれないのです。

目標を達成できると確信すれば、達成方法が見えてくる

博士で作家の苫米地英人氏は、意識を向けたものしか見えないことについて、スコトーマを理由に挙げています。

スコトーマとは心理的盲点のことを言います。

例えば、自分や奥さんが妊婦になることで、街中に妊婦さんがこんなにいたのかと気が付きます。自分や奥さんが妊婦になる前は、意識していなかったので、スコトーマによって街中の妊婦さんが見えていなかったというわけです。

コーチングでは、ゴール(目標)を設定し、ゴールを現実だと確信することができれば、今までスコトーマによって見えなかった、ゴールの達成方法が見えてくると言われています。

目標を設定し、それがすでに達成されたものと確信することで、目標に注意が向く為、今までスコトーマで見えなかった目標達成方法が見えてくるわけです。

目標がコンフォートゾーンに入れば、ホメオスタシスによって自然と行動を起こせる

目標の達成方法が見えた後は、実際に行動する必要があります。そこで重要になるのがコンフォートゾーン(快適領域)とホメオスタシス(恒常性維持機能)です。

コンフォートゾーンとは動物で言うところの縄張りです。自分が知っている場所、人、物、情報など。

ホメオスタシスとは、血圧や心拍数など、体の状態を一定に保とうとする機能のことです。

この二つは目標達成に関して、以下のように働いています。

①目標を設定する。
②その目標が既に達成されたものだと確信する。
③自分のコンフォートゾーン(快適領域)が「現在の状態」から、「目標が達成された状態」に移る。
④コンフォートゾーン=「目標が達成された状態」=「日常の状態」になる。
⑤ホメオスタシス(恒常性維持機能)が働くので、「日常の状態」を保つために、目標達成に向けた行動をとり続ける。

まとめ

1、得たい情報(目標の達成方法)をしっかりキーワードで意識する→選択的注意が働く。
2、目標の達成を確信する→スコトーマが外れる。
3、選択的注意が働くとともに、スコトーマが外れて、目標の達成方法が見えてくる。
4、目標が達成された状態を確信することで、それが新たなコンフォートゾーンになる。
5、新たなコンフォートゾーンを保つために、ホメオスタシスが目標達成に必要な行動をとらせようとする。

<参考文献>

ムダにならない勉強法

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