精神科医が教える毎日を楽しめる人の考え方/樺沢紫苑 著/感想①

樺沢紫苑さんの著書『精神科医が教える毎日を楽しめる人の考え方』を読んだので、個人的に印象に残った内容をお伝えします。

「遊び」こそ究極の成功法則である

まず、本書での遊びの定義は「仕事以外の楽しい活動」とされています。

そのうえで、「遊び」こそが究極の成功法則だと書かれています。

順を追って説明すると、何かで結果を出すには継続することが重要になります。しかし、「苦しい」「つらい」ことは続きません。一方で、「楽しい」ことは続くのです。

そして、楽しいとドーパミンという脳内物質が分泌されます。ドーパミンが分泌されるとモチベーションや記憶力がアップします。

すると、「もっと頑張ろう」という気持ちになります。その結果、「続ける」ことが可能になり、成功へと近づいていくというわけです。

図にすると以下のようになります。

「楽しい」→ドーパミン分泌→モチベーション、記憶力アップ→継続できる→結果が出る・成功する

逆に、「苦しい」「つらい」が慢性化すると、ストレスホルモンのコルチゾールが夜になっても下がらず、1日中出続けてしまいます。

すると、モチベーションや記憶力が低下してしまいます。その結果、「もうやめたい」という気持ちになり、続かなくなってしまうのです。

また、過度なコルチゾールは海馬を萎縮させ、記憶力を下げます。更に、脳の容積自体も縮小させるといいます。

「遊び」は創造性を鍛える

遊びを通して創造性を鍛えることが出来るといいます。

思っていることを言葉にする言語化や、新しい事への挑戦、睡眠・仮眠をしっかりとるなどの行為によって、アセチルコリンという脳内物質が分泌されます。

アセチルコリンが海馬を刺激することで、シータ波を生み出しやすくするのです。こうなると、リラックス状態となります。睡眠前のウトウトした状態が、この状態だと書かれています。

この状態の時に、脳神経と脳神経を接合部分であるシナプスが繫がりやすくなるのです。

Aという脳神経とBという脳神経が接合されることで、新たなアイデアが生まれるといったイメージでしょうか。

親子で一緒に遊ぶと仲良くなれる

子どもは良く「一緒に遊んで。」とせがんでくるでしょう。これにはちゃんと理由があることが分かりました。

その理由とは、一緒に遊ぶとオキシトシンというホルモンが分泌されるからです。

オキシトシンは、交流、コミュニケーションによって分泌する幸福ホルモンです。「楽しい」「幸せ」「癒やされる」「安らぐ」「つながり感」「連帯感」「一体感」「信頼されている」「愛されている」といった感情と深く関わるホルモンです。共感したり、楽しみや喜びを共有することによってオキシトシンが出るのです。

p.176~p.177

子どもは親と一緒に遊ぶことで、「楽しい」「愛されている」といった感情を感じているのでしょう。

忙しかったり、こちらに余裕がない時は「一人で遊んでほしいな。」と思ってしまいがちですが、一緒に遊ぶことにはちゃんと意味があるのですね。

・・・一緒に遊び、一緒に楽しみ、たっぷりオキシトシンを分泌する。そうすることで、互いに癒やされ、親密度が高まり、心の絆ができあがっていくのです。

p.185

このように、子供との関係を深めていくためには、しっかりと「時間」を共有する必要があります。お金の力を使って、物で心を掴むことは出来ないと心得たいものです。

少し長くなりましたので、今回はこの辺りで失礼します。

<参考文献>
精神科医が教える毎日を楽しめる人の考え方