昇進した方が良い理由

職場では、昇進したくないという人が増えています。

その理由は、

責任が大きすぎるから。

クレームに対応しなければいけないから。

この2つが大きいと感じています。

つまり、面倒な事に巻き込まれたくないということです。

昇進した方が良いのか、昇進しない方が良いのか。悩む方も多いと思います。

しかし、私達はポジティブな想像より、ネガティブな想像をしてしまう性質があります。

原始の世界を考えてみてください。

原始の世界で生き残るには、食べ物を獲得するよりも、手足を失う事を避ける方が、生存には重要だったのです。

その感覚は現代の私達にも受け継がれています。

ですから、意識的にポジティブな面に目を向けることが必要になります。

そこで、今回は昇進した方が良い理由を述べてみたいと思います。

簡単だけど不自由な道と、難しいけど自由な道だったらどっちを選ぶか?

サラリーマンと自営業

電車通勤と自転車通勤

ヒラのままでいる道と、昇進する道

世の中を見回すと、この様に2パターンが存在しています。

これらに共通するのは、前者は「簡単だけど不自由な道」であり、後者は「難しいけど自由な道」であるということ。

一般的には、昇進すると権限が増し、プレーヤーから、指示を出す側になります。

あなたが欲しているのは「自由」ではないでしょうか?

それならば、困難があっても自由な道に挑戦する意味はあるはずです。

チャンスの女神は前髪しか生えていない

よく言われるのは、「チャンスの女神は前髪しか生えていない。」という言葉。

チャンスの女神が前から歩いてきたら、すれ違いざまに前髪を掴まないと、後ろ髪はないので、もうチャンスは掴めないという意味です。

昇進のチャンスも来た時に掴まなければ、次はないでしょう。

また、「いつか挑戦する。」というのも、「挑戦しない。」と同じ意味です。

何故なら、「いつか」は一生、来ないからです。

できる時にやらない者は、やりたい時にできない

私が通っていた大学の学生手帳に人生の真理を表した言葉が書いてありました。

できる時にやらない者は、やりたい時にできない。

実際、昇進は若いうちの方がし易いそうです。何故なら、ある程度の年齢になってしまうと、昇進しても残りの時間が短いからです。

30歳で役職に就けば、60歳まで30年あります。

これが、40歳で役職に就くと20年。

50歳では残り10年です。

組織としては、早めに上に上げて、育て、長い期間安定して組織を運営してくれた方が助かります。

自分が「年齢相応になってから挑戦しよう。」と思っていても、組織としては「もう遅いよ。」ということになります。

個人が考える役職としての適齢と、組織が考える役職としての適齢がずれている可能性があるのです。

成長できる

昇進は、未知の領域に足を踏み入れる行為であり、コンフォートゾーン(快適領域)の外側に出ることを意味します。

コンフォートゾーンとは、動物に例えると、縄張りです。

あなたが知っている事、知っている場所、知っている人など全てを指します。

コンフォートゾーンの内側は慣れ親しんだ世界ですが、コンフォートゾーンの外側は未知の世界の為、不安と恐怖を感じるのです。

しかし、未知の領域では、今まで経験したことのない経験ができる為、コンフォートゾーンを出ると、成長できるのです。

その他大勢と違う自分になる

昇進する人が少ないということは、昇進する人は、その他大勢と違う自分になれるということです。

役職に就くということは、その他大勢の人が経験できない事が経験できるのです。

その経験は希少性があるので、自分の価値を高めることに繋がります。

他の人が見られない景色を見られるので、視野が広がるでしょう。

役職に就いているという事が信用に繋がる

年齢相応の役職に就いているという事が信用に繋がるでしょう。

それは転職の時や起業する時に有利に働く可能性があります。

マネジメント力を鍛えられる

もしあなたが自由を目指す方なら、「人に使われたくない。」と思っていませんか?

そう言う方なら、昇進するほど人を使う側に回ります。

すると、組織を上手くやりくりしていく上で、マネジメント力を鍛えられるでしょう。

そのマネジメント力は将来起業して、自由な道を歩み出す時にも必要なのではないでしょうか?

経験と失敗をするなら若いうちにした方が良い

新しい事に挑戦すると、経験値がない分、失敗する可能性があります。

しかし、失敗するからこそ、学びがあるのです。

それならば、若いうちに失敗し、経験する方が巻き返しが効きます。

また、若いうちの方が、「立ち直り力」があります。

逆に、ある程度の年齢になると、立ち直り力が弱まる可能性があります。

自ら挑戦→失敗→経験→挑戦→成功というサイクルを回して、立ち直り力を鍛えている人は別ですが、その様な人は昇進にも挑戦しているはずです。

昇進を遠ざけながらある程度の年齢に達していると、もはや挑戦する事自体を恐れてしまう可能性があります。

「昇進しない方が良い。」と言っている人は、昇進していない人

あなたの周りで「昇進しない方が良いよ。」と言っている人は、恐らく昇進していない人です。

あなたがオリンピックで金メダルを取る方法を聞くとしたら、誰に聞くでしょうか?

もちろん、実際に金メダルを獲得した人に聞くと思います。

昇進していない人が唱える「昇進しない方が良い。」という意見には何の根拠もないのです。

昇進している人の声

すでに役職に就いている方の声も鵜呑みにはできません。

彼らは「今だったら昇進を断ってるよ。」などと言います。

しかし、本心なら何故、降格願いを出さないのでしょうか?そういう制度がないならともかく、降格願いが出せるなら出してもおかしくないと思います。

役職に就いている人が、「今だったら昇進を断る。」というのは、若い人が自分と同じ地位に迫って来るのが怖いと考えている可能性を否定できないのです。

「昇進しない方が良い。」と言って、若い人を近づかせなければ、自分の地位を脅かす人がいなくなります。

結局はやってみなければ分からないと言えます。

できるかもしれない

恐怖と不安に支配されると、「できない。」「適性なんかない。」「向いてない。」

という声が頭を埋め尽くすでしょう。

しかし、正確には

・てぎないかもしれないし、できるかもしれない

・向いてないかもしれないし、向いてるかもしれない

・適性がないかもしれないし、適性があるかもしれない

何事も100%ということはないのです。

判断基準

それでも、迷うと思いますので、判断基準を示します。

樺沢紫苑さんの著書『ストレスフリー超大全』で紹介されている判断基準です。

(1)ワクワクするほうを選ぶ
(2)難しいほうを選ぶ
(3)ドラマティックなほうを選ぶ

P.320

難しいほうを選べば、知識と経験が増え、自己成長することが可能です。

人生を映画として考えた時に、波瀾万丈なストーリーの方がおもしろいものです。ドラマティックなほうを選べば、「おもしろい人生」になります。

難しくて、ドラマティックなほうで考えると、昇進するほうではないでしょうか。

また、秋山ジョー賢司さんの著書『心を鍛える技術』では、以下のように書かれています。

たとえば、仕事で大きなプロジェクトを任せたいと言われたときに「できる・できない」というジャッジではなく「経験するか・しないか」のジャッジで判断すればいいわけです。
 さらに「経験するか・しないか」のジャッジで迷ったときには、「『何のために』『誰のために』やるのか」を明確にすればいい。

P.103

「経験する」に越したことはないし、「成長するため」「後悔しないため」「家族のため」などと考えると、昇進するほうが選択されるのではないでしょうか。

いかがでしょうか。

以上、あなたが一歩踏み出す助けになれば幸いです。