ストレスは成長の証

脳に新たな神経構造が創り出される時

私達の脳は常に環境に適応しようと変化しています。もちろん、遺伝で決まっている部分もありますし、ある年齢までに獲得しなければいけないスキル(臨界期)などもあります。

しかし、多くの場合いくつになっても、脳の構造を変えることが出来ます。

では、どのような時に脳は成長し、神経構造を変化させるのでしょうか?

それは、過酷な状況を乗り越えようとする時です。

米・Amazon 2017年ベスト・サイエンス書の「Learn Better」には、脳の可塑性について以下の様に書かれています。

脳はどうやら知的な苦労に対処しようとするときに白質を作るらしい。自分が知っていることとできることの間に大きなギャップがあると、脳はそれに対処しようと構造を変化させる。…「需要」が脳の「供給」をオーバーしたときに新しい神経構造が創り出される

また、同著の中で、アメリカ国立衛生研究所の職員の言葉も紹介されています。

脳は学習の機会に反応する。…過酷な状況に出会うと、脳はその事態に立ち向かう。「脳はその状態への対処法を最適化するのです。」…「何かをたくさん行うと、脳は「これは重要なのだ」と考え、うまくこなせるようになる戦略を開発します」

私達は快適で、安定した状態を求めます。つまりコンフォートゾーン(快適領域)です。

しかし、上記の話から分かるように、コンフォートゾーンを出て、不快でストレスのかかる状態に直面しなければ進化・成長は望めません。

慢性的なストレスは望ましくありません。しかし、ぬるま湯に浸かっていては成長もありません。

筋力と同じで、適度な負荷がかかることで、私達は成長していきます。

もし、今ストレスがかかっているのならば、それは成長しているのだと考えられます。

新たな職場、責任のある仕事、クレーム対応、家族関係、子育て、、、、、

単にストレスがかかっていると思うと、体調を崩してしまいます。

でも、ストレスがかかっているのは、困難な状態を乗り越えようと脳が成長している証だとも考えられます。

デール・カーネギー著の「道は開ける」では、サミュエル・ジョンソンの以下の言葉が紹介されています。

あらゆる出来事の最も良い面に目を向ける習慣は、年間一千ポンドの所得よりも価値がある。

起こっている事態は変えられなくても、自分の考え方は変えられます。

その差が人生を変えるのです。

<参考文献>

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

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