学習効率を上げる方法

学習には「自分にとって意味がある」という感覚が必要

人が本当に学ぼうと思うのはどんな時でしょうか?

それは、「自分にとって意味がある」と思える時です。

子供の頃、「将来役に立つから勉強しなさい。」と親や先生から言われた経験はありませんか?

私達にとって、「大事だ」というだけでは、モチベーションとしては不十分です。その対象が、自分にとって意味があると思えなければ、学びは深まらないのです。

ヴァージニア大学の心理学教授、クリス・フルマンは、「心理学専攻の学生に、統計学と自分の生活との関連性」について書かせてみました。

自分の生活で統計学を使うシーンを想像できますか?看護師、営業マン、管理職という職業に就いて統計学を使う自分を想像できますか?学生たちはノート一〜二ページほどのエッセイ

を書きました。

すると、自分の生活と統計学の関わりを意識することで、学生たちの勉強へのモチベーションは大幅に上がったのです。

それ程、意味があるという感覚は、学習効率に影響を与えるようです。

学ぶべき対象と自分の生活に接点を持たせる

ところが、意味は自分で見つけなければなりません。いつも対象について興味関心がある事は稀でしょう。仕事では否応なく知識を習得しなければならないことは往々にしてあります。

その時、役立つ考えがあります。

それは、「ラーン・クラフティング」です。

これは、Learn Betterという本で紹介されている方法です。

ラーン・クラフティングとは、学ばなければならない事柄と、関心のある事柄を結び付けようという考え方の事を言います。学ぶべき対象と自分の生活に接点を持たせるのです。

『Learn Better』では、以下のように自分に問いかける作業だと説明されています。

この学ぶ対象は私にとってどう価値があるか?どうすればもっと自分に関連性があるようにできるか?この知識を自分の生活にどう利用できるか?

Learn Betterの例を紹介します。

「倒産」のような金融の概念を学んでいるが、お金の話は嫌いだとしたら?…倒産についての知識で、破産の瀬戸際にいるおじさんを助けられないかを考えるのだ

とあります。

上記の例のように、学ぶ対象と自分の関心が繋がるようにすることで、そこに意味を見出しやすくなるのです。

自分の好きな事と学びの対象を関連付ける                 

        ↓

学ぶ事に意味があるという感覚が持てる                   

       ↓

モチベーションが湧いてくる                   

       ↓

学びが深まり、効率的になる

学習するときは、学ぶ対象と自分の生活(もしくは興味のある事柄)を関連付けると、学びが深まりそうです。

<参考文献>

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

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