運動の効果
カロリー消費のために運動するな
一般的に運動というのは、カロリーを消費して、スリムな体をつくるための行動と考えられていると思います。
しかし、カロリーを消費するために運動をするのは得策ではありません。何故なら、運動で消費できるカロリーは思ったほど多くないからです。ちょっと食べ過ぎればあっという間にカロリーオーバーになってしまうでしょう。
また、摂取したカロリーを帳消しにするという発想は消極的な理由です。マイナスをゼロに戻すという意味だからです。これでは運動は続きませんし、インセンティブもないでしょう。
運動の驚くべき効果
しかし、運動にはカロリー消費よりも驚くべきメリットがあるのです。
それは、脳を鍛える効果です。
精神科医で作家の樺沢紫苑氏は、著書「神・時間術」の中で以下の効果を挙げています。
1、海馬の神経を増やし、長期記憶を強化する
2、脳を育てる
3、運動直後から学習機能がアップする
4、頭がよくなる
5、作業記憶がよくなる
6、ぐっすり眠れる
7、やる気が高まる
詳しくは、「神・時間術」をご参照頂ければと思いますが、樺沢氏は以下のようにまとめています。
30分程度の有酸素運動によって、その直後から学習機能、記憶能力、モチベーションがアップします。継続的な運動習慣によって、シナプスのネットワークが増え、頭がよくなる、ということです。
運動によって、神経細胞、脳の容積、シナプスのネットワークが増えるので、頭が良くなるのです。
更に、7番については以下のように述べられています。
運動を開始するとすぐにモチベーション物質であるドーパミンが分泌される。
継続的な運動によって、ドーパミンニューロン同士のつながりが強まり、さらにやる気がアップする。
その他の効果も含めて、運動の効果をざっくり言うと、
①頭が良くなる
②セロトニン(心の安定に影響する脳内物質)やドーパミン(幸福感に影響する脳内物質)が分泌され、精神が安定する
③カロリーが消費される
④やる気が出るという事になります。
①頭が良くなるとは、海馬が成長すること。もう一つは前頭葉が成長すること。
海馬は記憶を司る脳の器官ですので、海馬が成長すれば記憶力が上昇し、頭が良くなります。前頭葉は自己制御を司る脳の部位ですので、前頭葉が成長すれば誘惑に抗ったり、やるべきことをやれる自分になれるわけです。
自己制御能力が上がれば、食事にも自ずと気を使うようになりますから、結果としてダイエットも成功する可能性が上がるのです。
また、運動すると⑤自信がもてるようになることも分かっています。
自分に自信がもてるということは、セルフイメージを高めてくれるということです。
運動とは小さな成功体験だと言えるでしょう。例えば、私はランニングをします。
今日は走ろうと決めて実行出来たとしたら、それは小さな成功体験です。そうすると、それは自信となり、セルフイメージを高めてくれるのです。
カロリーを消費して見た目が良くなり、頭も良くなるならば、更にセルフイメージが高まるでしょう。
人生を変えたかったらまず運動すべし
自分を変えるために何か具体的な行動を挙げるとしたら、私は間違いなく運動だと言います。
◼︎運動→自己制御能力の上昇→やるべきことを実行できる
■運動→自信とセルフイメージアップ→新しいことに挑戦できる
■運動→ドーパミン、セロトニンなどの分泌→やる気が高まる
上記のとおり、やるべきことが実行でき、新しいことに挑戦でき、やる気もあれば、自分を変えていけるわけです。
お分かりいただけたでしょうか。運動はカロリー消費の為ではなく、頭を良くしたり、やる気やモチベーションをアップさせる効果を期待して取り組むべきなのです。
運動は精神論ではなく、物理的に体、頭、心をより良く変える効果がありますので、誰もが日々の生活に取り入れる価値がある習慣と言えるでしょう。
<参考文献>
神・時間術
電車のハシに座る人は、成功できない