天才と一般人は何が違うのか?

脳の神経細胞は環境に合うよう最適化されてきている

人の脳には1000億個もの神経細胞(シナプス)が存在します。その神経細胞同士が結合し、回路を形成する事で、様々な能力を発揮出来るのです。

なんと、生後8か月頃がこれら神経細胞の密度が1番高く、その後、よく使われる回路は強化され、使われない回路はなくなってしまいます。

不必要な回路をなくしていく過程を「刈り込み」と言い、刈り込みによって脳内の神経細胞の結合は人それぞれとなる為、個性がうみ出されるのです。

英語耳を獲得するには、早くから英語の環境にいる必要がある

幼い頃に日本語も英語も使う環境にいれば、日本語も英語も聴き取れるようになります。それは、日本語を聴き取る神経回路と同時に、英語を聴き取る神経回路も残されるからです。

産まれてから、「ネイティブの英語耳」を獲得できるまでの期限を臨界期と言います。

日本語の環境だけで育った人も、大人になってからの特訓で英語を聴き取れるようにはなりますが、それはネイティヴの脳とは違う回路を代替して聴いているのです。

天才は多くの人と違った刈り込み過程を経ている

神経回路が人それぞれとはいえ、多くの人が共有する世界と大きくズレる神経回路は組まれないでしょう。何故なら、皆と共通する能力が、よく使う神経回路だからです。

逆に、天才は一般人と違う脳の神経細胞の結合をもっているようです。刈り込みから逃れて残った能力をもっているということです。

これが、他の人とは違った考え方を可能にするのです。

このような基本から外れて残る回路は、共同生活をする上では邪魔物です。特殊さ故に生きづらさがあるかもしれません。しかし、多くの人と違った回路があることで、人とは違った世界を見て、偉大な発見に繋がったりするのです。

独自な神経回路を形成するには、無駄な情報が邪魔になります。天才は孤独な幼少時代を過ごしていることが多いようです。そもそも、特異な性質をもっているのは確かでしょうが、過去の天才達は自ら刺激が少ない環境に身を置こうとしていたようです。この孤独が無駄な情報の遮断となっているのです。

つまり、無刺激状態の中にいることになります。無刺激状態に身を置くことで、一般人とは違った特異な神経回路を構築したのです。

まとめると、
①神経細胞の回路は生後8か月までが1番密度が高い。

②共同生活をする上で必要な回路が残り、不必要な回路は廃れる。

③天才は無刺激状態に身を置くことで、一般人とは違った神経回路を構築した。

今回は、天才についてお話しましたが、次回は私達にもこの無刺激状態が影響を及ぼすという話をします。

<参考文献>

天才を生んだ孤独な少年期 ―― ダ・ヴィンチからジョブズまで

超一流になるのは才能か努力か?

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