新生活に適用する為、脳は構造を変化させる

過酷な状況こそ、脳を進化させる

環境が変化することから、新生活は誰にとっても大変なものです。

例えば、

・新人として4月から働き始めた
・人事異動で部署が変わった、転勤した
・子供が保育園、幼稚園に通い始めた
・小学校、中学校、高校、大学、専門学校に通い始めた
・結婚してパートナーと暮らし始めた
・子供が生まれた
・引っ越した

これらの状況は、コンフォートゾーン(快適領域)の外側となるため、脳は脅威を感じます。

ですから、最初のうちは気が滅入ってしまうでしょう。

しかし、私達の脳は過酷な状況に遭遇すると、その状況に適用しようとして、脳の構造自体を変化させるのです。

具体的には脳の白質が作られるようです。

白質とは伝達を担う神経の軸索〔神経細胞の突起部分〕の一種で、脳にメッセージが伝播するのを助ける。…脳を配線にたとえるなら、白質はメッセージを伝導する銅線の役どころだ。

Learn Better p.163

知的な苦労がある。知っていることとできることのギャップがある。脳の「需要」が「供給」をオーバーした。過酷な状況に出会った。

こういった状況に晒されると、脳は事態に適用しようとして、新しい神経構造を創り出すのです。そして、対処法を最適化します。

最初は大変だと感じていても、何度もやっているうちに、脳は「これは重要なことなんだ」と理解します。そして、脳が神経構造を変化させることで、うまく出来る様になるのです。

子育てで脳の神経構造が変わる?

これは私の実感ですが、子供が生まれると、今までの生活が一変します。

子供は泣きます。

自分のペースとは関係なく、オムツを変えたり、子供をお風呂に入れたりしなければなりません。

また、子供に遊んでとせがまれて、やりたい事も出来ません。

最初泣き声に脳が反応して、イライラや動揺が起こります。泣き声というのは緊急事態を知らせるサイレンなので、脳が反応して当然です。

しかし、次第に泣き声に脳が適用して、自分の気持ちが振り回されにくくなります。

また、重い腰を上げて行っていたオムツ替えや、お風呂入れも、こなしているうちに自動で出来る様になるので不思議です。

オムツ替えは、「ウンチを替えた数だけ強くなれるよ〜♪」と歌って替えるのがコツです。

そして、最近子供を保育園に預けるようになりました。最初、保育園の準備や朝の送りなど、初めてのことだらけで脳が疲労していました。

でも、段々と自動で出来る様になりました。

自分の脳が環境に適用しているのを感じます。

子供も脳の構造を変化させている?

一方子供側から見ると、保育園に行くようになり、これまた環境の変化にストレスを感じているようです。

初めのうちは、案の定保育園に行くのが嫌だと泣いていました。

しかし、「〇〇くんにおはようって言ってみよう!」と具体的な目標を立ててやり、私が「おはよう」と言って見せてやることで、子供もきっかけを掴み、友達になれました。

こうして、保育園に行くのを嫌がらなくなりました。どうやら子供の脳も過酷な環境変化に適用したようです。

明らかな劣悪な環境下にいる場合はいち早く逃げるべきだと思いますが、許容範囲であなたが今過酷な状況にいるなら、「きっと脳が構造を変化させて、環境に適用できるようになるに違いない。」と考えてみると良いかも知れません。

〈参考文献〉

Learn Better