もっと時間があったなら!-時間をとり戻す6つの方法-シュテファン・クライン著:感想

「もっと時間があったなら!-時間をとり戻す6つの方法-」という興味深い題名の本を読んだので、感想をお伝えします。

全体的な感想

この本では、「時間」とは時計で測られる時間だけでなく、私達が内側で感じる時間が存在するということが述べられています。私達が時間をどのように察知し、感じているかが様々な角度から解説されています。

なかなか興味深い内容ではあるものの、表現が小説的で分かりにくいところが難点。

また、私達から時間を奪うものとして、

ものごとに集中できないこと、ストレス、モチベーションの欠如

p.108

が挙げられています。

それらの問題の解決策は述べられてはいますが、問題と解決策が対で書かれていないために、一回読んだだけでは要領を得にくいと感じてしまいます。

しかし、内容さえ理解できれば、とても興味深い内容であることは間違いありません。

私達が内側で感じる時間は、自分の意識で縮めたり、引き伸ばしたりできるという面白い内容が書かれている本なのです。

気付きを得た内容

①時間が過ぎていくシグナルに注意を払っているかどうかで、時間を長く感じたり、短く感じたりする。嫌な時間は、早く過ぎて欲しいと思うので、絶えず時間を気にしてしまいます。そのため、時間を長く感じてしまうのです。逆に楽しい時間は、周りで起こっていることに注意が向くので、時間が過ぎていくシグナルを見過ごしてしまいます。よって、時間は短く感じられる。裏を返せば、楽しい時間でも、時間が過ぎていくシグナルを意識できれば、時間を引き延ばすことが可能になるのです

時間は引き延ばせるものだということを意識している人は少ない。・・・このようにすばらしい瞬間は永遠には続かないと思い知ることは、その時をいっそう貴重にするだけでなく、時間そのものを変える。・・・時間は瞬く間に過ぎ去ると意識すること、それこそが時間を長びかせてくれるのだ。

p.56~p.57

②私達は「現在」に意識を集中できません。ある研究によれば、大概はどうでもよい陳腐なことを考えているというのです。しかし、「いま」をもっと味わうことができれば、あとで思い起こしたときに、その時間は充実したものとなり、長く思えます。また、注意力が目覚めている状態は気分が高揚し、脳は「楽しい」と感じるとのこと。

③経験をメモ、写真、日記になどに残す。それを見て思い出すことで、記憶力を強化できる。

もてる力を存分に発揮して暮らしていれば記憶力の衰えも少なく、年をとっても時間の過ぎるスピードを他の人ほど速く感じなくてすむ。だから、精神的に活発な人のほうが時間はゆっくり過ぎる。

p.103

④ワーキングメモリー

前頭前野にある一種のメモ帳で、ある目的を実行に移すために必要な情報を蓄えている。

p.45

⑤実行機能

注意力のフィルター機能・・・つねにその時点での最も重要な仕事を教え、邪魔になるものを追いはらう。・・・何ができるか、そしてどういう見返りがあるかについても一瞬でおおよその見当をつける

p.127

実行機能はワーキングメモリーにあります。ワーキングメモリーは短い間しか情報を記憶していられないのと、たくさんの情報を記憶できないという特徴があります。たくさんの課題や、あれやこれやと刺激を受けると、実行機能はパンクしてしまうのです。

逆に、実行機能を効率よく働かすことができれば、時間を上手く使うことが可能になると言えるでしょう。そのためには、集中力を鍛え、ストレスを発散し、モチベーションを保つことが重要です。

⑥実行機能を効率的に働かせる方法
(1)集中力を鍛える
いま・ここに集中できないから、時間は過ぎ去っていくように感じられる。はっきりと書かれているわけではありませんが、30分の瞑想をすることが勧められています。

(2)ストレス発散
ストレス反応が起きると、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、大脳皮質が混乱する。すると、実行機能が弱まる。また、刺激に対する注意力が高まり、些細なことが無視できなくなる。よって、衝動的な行動を取ってしまう。セルフコントロールを失ってしまうので、時間をきちんと使えなくなる。
この解決策は運動することです。

運動はストレスホルモンを再びものごとに集中できるレベルに戻してくれる。

p.145

(3)モチベーションの維持

途中でちょっとした楽しみを味わう・・・ごほうびが待っていれば、セルフコントロールが働く。

p.159

時間をうまく使うコツは、適当な間隔を置いてリフレッシュすることだ。・・・楽しむことができる人が、いちばん効率よく時間を使えるのだ。

p.160

おわりに

この本には「どうしたら時間をうまく使えるか」についてのアドバイスや、「もっとゆったりした人生を送るための六つのステップ」が紹介されています。

「時間」について新しい捉え方を知りたい方は是非ご一読あれ。

<参考文献>
もっと時間があったなら!―時間をとり戻す6つの方法