父滅の刃発売決定!!父親はどこへ消えたか-映画で語る現代心理分析-/樺沢紫苑著/感想/<祝リニューアル刊行>

樺沢紫苑氏の著書「父親はどこへ消えたか~映画で語る現代心理分析~」が、「父滅の刃」(みらいパブリッシング)と題してリニューアル刊行されることを祝して、旧作の感想をお伝えします。

全体的な感想

この本では「父親」「父性」というテーマが、心理学と映画を用いて論じられています。心理学で抽象的な部分を解説し、映画をとおして具体例を示しています。

「心理学」×「映画」=「父親」という式で構成されているとても独創的な本だと言えるでしょう。

正に、精神科医であり、映画好きであり、作家である樺沢紫苑氏だからこそ書けた本なのです。

小難しい心理学を、親しみやすい映画をとおして見ることで、一般の人にも共感できる内容になっています。

働き方改革が叫ばれる中、新型コロナウィルスの影響でテレワークやリモートワークをする機会が増えた世の中のお父さん方も多いことでしょう。

子供と接する機会が増えた今、父親の存在意義や、父親として子供とどう接したら良いのかを学ぶことは、時代の要求でもあります。

また、この本の対象は父親に限りません。この本には、母親も、新人を育成しなければならない職場の「リーダー」も、父性を担うことができると書かれています。つまり、人を育てているあらゆる方にとって必読の書と言えるでしょう。

「父親殺し」という概念

私は「父親殺し」という概念をこの本を読んで初めて知りました。子供は心理的に父親を乗り越えられなければ、大人になれないというのです。

私は大学卒業後に就職した会社から転職した経験があります。それは自分で考えて行動したことで、結果的に転職は成功でした。しかも、それは努力の結果得たものでした。

今考えてみれば、このステップアップをとおして、私は父親を越えられたという感覚があったように思います。これが私にとっての「父親殺し」だったのかもしれません。

子供のためにできること

子供のためにできることとして、私が意識するのは、以下の内容です。

1 規範やルールを示す
2 子供を外に連れ出す
3 できるだけ子供と一緒に過ごす

優しいのは母親、少し厳しいのは父親という古典的な形態は、イクメンが浸透した現代でも、間違っていない考え方のようです。

また、なるべく外遊びに連れ出すのも、父親の役割だと言います。お父さんが子供を公園などに連れ出せば、子供も嬉しいし、奥さんも助かるのではないでしょうか。

できるだけ子供と一緒に過ごすのは、「言うは易し、行うは難し」でしょう。しかし、「三つ子の魂百まで。」

今という時間は戻りません。「お父さん好き。」「お父さん遊ぼう。」と言ってくれる純真無垢な時代は今だけなのです。

おわりに

この本を読むことで、以下の内容が学べます。

・子供が大人に成長するために必要なこと
・父性とは何か
・良き父親とは何か
・悪しき父親とは何か
・父親の役割とは何か
・子供と大人の違いとは何か
・父親と子供の関係性を深めるヒント
・食卓を囲む重要性
・父親が息子、娘に与える影響
・良き父親を目指すために何を意識したら良いか
・父性を回復するにはどうしたら良いか
・自分の父親と和解する方法
・子供から「父性的な父親」と認められる方法
・メンターにはどんな人を選ぶべきか
・「強い母親」と「弱い父親」に育てらるとどうなるか

これらの内容を知っているのと知らないのとでは、子育てにおいて大きな差が出るでしょう。「父親はどこへ消えたか~映画で語る現代心理分析~」を読めば、これらの重要事項を映画をとおして楽しく学ぶことができるのです。

その結果、悪しき父親になることを回避し、良き父親になることを意識できるようになるでしょう。

<参考文献>
父親はどこへ消えたか~映画で語る現代心理分析~

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